創作昔話12「素直な蛇」その4

 「どうじゃ。少しお話でもせんか。」五郎太はこの白くて小さくて変にあちこち体が折れ曲がる生き物に不思議な興味を持ちました。サエの方は、どんなことがあってもじっとしているんだ、苦しくても我慢しているんだと教え込まれていましたから、動こうとはしません。でも、お話をするくらいならいいじゃろ。そう思いました。
 五郎太も五郎次も、もう二万三千年も生きていますから、それなりに知恵や力がありました。山から出たことのない狭い狭い知恵でした。しかし、深い深い知恵でした。その力はもしかすると村々の人々が信じている山の神といってもよいものかもしれません。初めて見る生き物に語りかけることができるのもその知恵と力のおかげだったのでしょう。サエは見当違いをしていたのですが、あながち間違いだったとも言い切れないというわけです。でも、ここに五郎次がいたら、山の神だなんて思わなかったかもしれません。数が多くなればなるほど、神様が神様らしくなくなるでしょうから。
 「なあ、白くて小さいの。」「おまえはどこから来て、どこへ行くのじゃ。」「昔食べまくったやつに似てないこともないのう。」まだ、五郎太、五郎次が普通の蛇の大きさから人の胴体ほどの太さになった頃は、お腹が空いてお腹が空いてたまらず、近くの山々まで足を伸ばしては山猿などを食べていたのです。もっとも、蛇ですから伸ばせる足などさがしても見つからないのですが。

どこにいるの? について

「がんばったら疲れる。疲れたら休む。休んだらがんばる。」ということにしておこう。
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