日々雑感215「元号の有効利用」

 世界で元号というものを使用している国はほとんどないが、日本では元号を使用している。元号に対する批判もあるだろうが、おそらく利点を挙げるという作業を怠っているからではないだろうか。
 マイナス面の2倍ほど利点があれば、これを世界に紹介し、うらやましがらせるのも面白い。もし、マイナス面の方が多くても、独自とは言いがたいが、特徴ある文化の一端として位置づけ、無理なく自然に使用されなくなるまで、使い続ければよい。何しろ西暦もちゃっかりと使用しているのだから何も不都合は生じないはずだ。
 2007年であって、しかも平成19年ということに象徴される二重性。何でもむやみに取り入れ、何でもむやみに工夫し、何でもむやみにやってみる。漢字を使ったり、カタカナを作ったり、平仮名を作ったり、ローマ字表記を取り入れたりするだけでなく、一度始めたものは賢く同居させていく。「むやみ」とはいってもしたたかに計算していることが表に出ないだけの話であって、その無邪気さをぬぐい去るのは賢いとは言い難い。
 いろいろな物事を見つめる中で思うのだが、こうした日本という伝統的な文化はつくづく便利な文化だと思い知らされる。少し言い過ぎかもしれないが、自由この上ない文化といってもよいかもしれない。もちろん、表面的で受け入れられやすいごまかしの自由によって、そのよき自由の伝統が食い荒らされないよう賢く物事を判断し続けている限りでの話だが。
 こうした日本人がもっている精神的な傾向に対しては、節操がないという批判や自己批判があるかもしれない。果たして、節操のなさを気にしているなどという余裕がなかったのか、また余裕を敢えて求めなかったのか、あるいは日本人の器が大きかったのか、また器をあえて大きくしなければならなかったのか。もとより答えは一つに絞られないが、それが生きていくための知恵であったろうとは思うのだ。それぞれの国がそれぞれの知恵でここまでやってきた。それをどうのこうのと批判するのは、内政干渉と同類の姿勢であるから、実害を受けていない限りは無意味なことだ。ただ単に世間話としては面白いから、日本国内の県民性分析のように、国民性分析のようなものもあってもよいと思う。
 国民性と言えば、中でも青いキリンの話が有名だ。こんな話だったように記憶している。「ある産油国の大富豪が言った。青いキリンを見つけたら大金をあげましょう。これを聞いたアメリカ人は、軍隊を世界中に派遣して青いキリンを探しまくった。イギリス人は、さてどうしたものか、そもそも青いキリンはどこにいるのだろうと議論し始めた。ドイツ人は、青いキリンに関する資料を図書館などで探し始めた。日本人は、研究に研究を積んで、キリンの品種改良を重ねた。中国人は青いペンキを買いに行った。」言い得て妙だが、フランス人はどうしたのだろう。他の国々の人はどうなのだろう。最初から声をかけてもらえなかったのか。聞いても相手にしなかったのか。全国版を作れば面白そうだ。
 さて、元号のマイナス面とは何だろうか。……たくさんありそうだ。しかたないから、プラス面を挙げ、その裏返しがマイナス面だということにしよう。そのほうが前向きの気持ちになれそうだ。そもそもマイナス面の2倍プラス面を挙げるということ自体に無理がある。
 さて、それでは何をプラス面としよう。
①水に流す文化を育み、明るくさわやかな国民性となる。それは、歴史の中で生まれ続けるマイナス遺産を元号が変わるときに、前の元号の時代のことだとして、時効ではないが、区切りをつけてしまうという免罪符的な機能をもつためだと思う。無責任とも言えるが、いつまでも重荷を負い、魂の傷を引きずって生きていくよりもましだろう。
②目標を立てやすくなる。けじめをつけやすくなる。心機一転する機会を与えられる。必要な意識改革を促す。それは、現在の元号が人間の死を区切りとしているので、終末感が強く、逆に新しい元号によってより強い仕切り直しの心的エネルギーを得ることができるからだと思う。
③時代の区切りをつけやすくなる。永遠に続くものなどないという現実的な世界観を持つことができる。
④元号のマイナス面を掲げ、現行の天皇制を批判をするときの材料とすることができる。
⑤元号制のプラス面を掲げ、現行の天皇制を擁護するときの材料とすることができる。
⑥西暦のような数字ではなく、言葉であるため、願いや意味がくみ取れるので、より豊かな時代感覚を持つことができる。
⑦キリスト誕生を根拠とする西暦に対して違和感をもつ人々にとっては都合がよい。
⑧「西暦2010年は平成何年だったっけ」という換算が必要なので、ぼけ防止のトレーニングとなる。もちろん和暦を捨てた明治以降の元号を西暦に変換する程度が無難だろう。
⑨西暦が区切りの根拠をつけにくい数字の蓄積であるのに対して、明治から元号の年数の平均は約40年になり、会社の寿命、ビルの寿命に近いので、人々の生活感に近い時代の移り変わりとすることができる。
⑩外国では珍しいので、少し自慢げに話せたり、豆知識を提供できる。
 まだまだありそうだが、こうしてみると、必ずしもプラス面の裏返しがマイナス面とは言い切れないということがよくわかる。

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