突然思い出したこと130「ホームレスハウス」

 段ボールハウスで有名なのはホームレスのハウスだ。ホームレスはハウスレスではなく、あくまでもホームレスだということだ。家族で段ボールハウスに暮らしていれば、ホームレスではなく、ただのハウスレスだ。もちろん、段ボールハウスをハウスとして認めれば、ハウスレスですらない。
 ホームレスとハウスレスでは、ホームレスの方が辛い。だから、ホームレス同士で疑似家族を形成しやすい。これはこれで一つの社会をつくっているので、いろいろな役割が生まれることになる。一般社会から落ちこぼれた社会と見てもよいのかもしれないが、一般社会とホームレス社会は紙一重だ。いつどんな理由で誰がホームレスになるとも限らないということを知らぬが仏の一般社会だ。
 ホームレスハウスを造るには、ざら板、段ボール、ブルーシート、ガムテープ、カッターナイフ、幾種類かの番線、ロープ、角材、コンクリートブロック、ペグ、金槌、鋸などがあればかなり立派な段ボール製ホームレスハウスが造れる。
 多目的に使用する敷き毛布と掛け毛布、懐中電灯、新聞紙、ビニール袋、輪ゴム、折りたたみ式の小さなテーブル、折りたたみ式の椅子、傘、雨合羽、筆記用具、書き込みができるカレンダー、釣り道具、ラジオ、書類入れ、食器、胃腸薬、風邪薬、かゆみ止め、充電器、乾電池、洗面具、手拭い、ティッシュペーパー、偽装金庫……。これらは大きめのリュック二つに入る。これに自転車が加われば、行動範囲も広がり、その分だけ裕福に暮らせる。
 公園には水とトイレがあるから、公園内は無理かもしれないが、その近くに場所を取ることからはじめなくてはならない。
 民家が近いときには警戒心をもたれないように、挨拶や笑顔、掃除を欠かしてはならない。こぎれいな猫や小さな犬をペットにすることによって受け入れられ方が断然違ってくる。動物好きに悪い人はいないという受け入れ方をする人もいるからだ。子供に話しかけてはならない。逆に子供に話しかけられたら、昔話やおとぎ話をしてあげるようにするが、それ以上の人間関係を作らないようにする。さりげなく花を植えるのもよい。
 警察の職務質問を受けるときも曖昧なことは言わない。非社会的、反社会的な思想の持ち主であると判断されるようなことは言わない。面倒見てやらなくてはと思ってもらえるような態度や表情、視線を持たねばならない。写真を撮られるような場合も、背景を配慮することと、太陽でまぶしい表情になるような落ち度がないように気を配る。家族や出身地、ホームレスになった理由などを質問されたときには涙ぐんで言葉を詰まらせるのがよい。
 地域とは不即不離、尊敬すべき一芸や生活態度を持っていることをそれとなく広める。お寺やお墓の掃除などのボランティアもよいかもしれない。こちらからは話しかけないようにし、話しかけられたら、相手がはっとするような蘊蓄のあることばを少しだけ入れて返答するのも好印象を与える。地域の役に立っているということをそれとなく示す行動をひそかに続けることも大事だ。
 公衆電話が近くにあればなおよい。体調が急変した場合などは救急車を自分で呼べる。子供の登下校時には保護者に配慮して姿を見せないことも大事だ。ほこり、排気ガス、粉塵などは肺を病む原因になるから十分注意する必要がある。
 ホームレスになると世間は急に冷たくなったり哀れんだりしてくる。いろいろな実験で明らかにされている。このホームレスレポートを完成させるには、一般社会の正体、善良な市民の正体、人間の正体を知るには、どうしてもホームレス体験が必要になるだろう。かつて老人メイクをした新聞記者が体験した生々しい体験を上まわるレポートができあがるに違いない。彼女は骨折、性的暴力まで受けたが、ホームレス体験では死が待っているかもしれない。心意気のあるものはセキュリティーを確立してから臨むとよい。

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「がんばったら疲れる。疲れたら休む。休んだらがんばる。」ということにしておこう。
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