「酒のしきたり」
俺はせなかを蛇にして
うねうねと
頭を揺らす
ここの酒は 本物なのか
いつになく
足指ばかりが
どこまでも ほそ長く
景色は遠く
緑にかすむ
この妙な酩酊感
窓を閉め忘れたのが間違いだ
目に見えぬ
小さな運命の微粒子が
このどうでもよい体に
一から十までくい込み
そして
俺の色とりどりの内臓を
容赦なく締め上げながら言うのだ
途方もない計画を
でっち上げろと
これではもう
人間になるしかないじゃないか
明日のため
死ぬまで癒されることのない
罪に染め上げられた俺の魂を
自ら弔わねばならない
明日のため
この酒を飲む