怪しい広辞苑245「馬の玉」

 広辞苑第四版247ページ「馬の玉」の説明。「馬・牛・羊・猪・鹿・犬などの腹中に生ずる石のようなもの。灰色または褐色で、内には黒毛・褐毛が満ちている。けだま。石糞(せきふん)。鮓答(さとう)。ヘイサラバサラ。」とあるが、この説明だと誤解が生じないだろうか。
 「ヘイサラバラサ」を広辞苑第四版で調べると、「牛や馬の腹の中から出る結石。赤黒色で、解毒剤として用いられた。」とある。また、「→鮓答(さとう)」とある。そこで、「鮓答」を広辞苑第四版で調べると、「馬・牛・羊・豚などの胆石、または腸内の結石。生薬とする。牛黄(ごおう)。馬の玉。ヘイサラバサラ。ドウサラバサラ。」とある。
 つまり、いろいろな動物の胆石や腸内結石の総称が「馬の玉」ということらしい。そして、「けだま」や「石糞」などのように、薬とはならない「馬の玉」もあるということらしい。「ヘイサラバサラ」と「鮓答」の説明の仕方ならば分かりやすく理解できるが、「馬の玉」の説明の場合は、そのあたりに誤解を生じさせる説明であるように思う。
 動物の体内にできる塊には、薬となる結石もあれば、ただの毛玉もある。食べ物の塊、つまり糞の塊もあるだろう。これを全て「馬の玉」と呼ぶのはそのような習慣だとしてよいとしよう。
 しかし、広辞苑第四版の「馬の玉」の説明だと、「腹中に生ずる石のようなもの」が全て灰色または褐色で、その中は黒毛と褐毛に満ちていることになってしまう。胆石は胆嚢や胆管にできるものだから、さすがに毛は交じらないと思うのだが、そのように読み取れてしまう文章になってしまっているのが残念なのだ。
 馬の玉は、とにかくいろいろな動物の腹の中にできた塊で、その中にはただの毛玉や糞の塊(石糞)のようなものもあれば、牛黄、鮓答、ヘイサラバサラなどと呼ばれる生薬の原料となるものもあるということがわかるような表現にしてほしいのだ。
 僕は漢方薬のことはよく分からない。しかし、そのような無学の者にこそ誤解を与えたり無用の疑問を持たせないことが大事だ。そうした明確で正確な表現が辞書には求められているのだと思う。

どこにいるの? について

「がんばったら疲れる。疲れたら休む。休んだらがんばる。」ということにしておこう。
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