週刊朝日が大阪市長の個人情報を扇情的に書き連ねた記事を載せた。本人に批判されるや、「遺憾」の意を表した。驚きだ。執筆者が謝罪すると見せかけて「遺憾」という語を選ぶというのは、余程プライドが高いか、自分の書いた記事に誇りを持っているかだろう。とにかく、これで「とにかく本当は謝罪するつもりはない」という姿勢を前面に打ち出した形になる。
仮に「謝罪の意」を表そうとしていたとしても、「遺憾」という語を使えば、本当に謝罪をしているのか、それとも問題が大きくなってしまって失敗だったという程度の気持ちを示しているのかが、非常に不明瞭になってしまう。物書きである以上、当然そうしたことを計算して言葉を選んでいると解釈されても仕方ないだろう。
例の朝日新聞はこの問題を「深刻に受けとめている」と表現している。これにはもう別に驚かない。朝日新聞だからだ。その言葉には微塵も謝罪の気持ちが込められていない。本当に深刻に受けとめたなら、報道結果の深刻な影響を分析し、補償しなければならないが、そんなつもりもさらさらないだろう。朝日新聞だからそれは仕方ないことなのだろう。
報道モラル以前の問題だった。それにしても、報道関係者は、報道の自由を叫ぶ前に、報道の責任をどれほど負うと覚悟しているのだろうか。その覚悟は「報道の自由」の影に隠れていないか。
新聞にしても、週刊誌にしても、報道記事とその報道の影響を悪影響も含めて掲載し、自己評価を示すべきだろう。そこまではプライドが邪魔をしてできないだろうが、こうした社会的責任のバランスをもたないメディアは心底見下げられているということを知るべきだろう。
それにしても、天下の朝日新聞がそれをもたないように見えるのは、一体どうしてなのだろう。組織のトップと底辺の意識の差を埋めきれないレベルの大きな組織だからだろう。報道モラル低下による「やらせ」記事は後を絶たないのも、意識の差を前提としたチェック機能がはたらいていないからだろう。
報道モラルの低下というのは、ある一定水準のモラルの存在が前提としてあっての問題だ。しかし、本当のところはどうなのだろう。報道モラルの低い人材をチェックできずに登用してしまうという、組織の管理の問題なのではないだろうか。
大阪市長と家族の被害は「氷山の一角」だ。世の人権家や所謂評論家はどのようなコメントをするのだろうか。大阪市長は「謝って済む問題ではない」と述べているが、使われていることばからして、そもそも謝ってすらいない。人権家の人々が今回の問題をどう取り上げるか、そしてなぜ取り上げないかで、人権家の評価を下すことができることだけは確かだ。
とにかく、所謂大メディアによる報道、公共の電波にのる評論家の言論などによって、惑わされるのはまだしも、過ちの道を再び歩まされることがあってはならない。一人一人が賢くならねばならないのだろうが、それにも限界がある。僕たちは生活することで精一杯なのだから。
ここはひとつ、報道を客観的に評価する機関をつくりあげるべきだろう。それが無理なら、報道ウォッチャーとしての意識を持った個人が多く出現し、ツイッター等でつぶやくことが必要なのだろう。このつぶやきが大きな力となっていく。
つぶやきはつぶやきでしかないが、決して権威や権力によって押しつぶされるものではない。新聞離れは少しずつ進行して、次に一気に進行するだろう。それだけは回避しなくてはいけない。
そうなる前になすべきことを受け手も含めて、双方がなしていかないと、たぶん暗い世の中になってしまう。その暗さも最初は少しずつだろうから、僕たちはみんな気付けないに違いない。これはとても恐ろしいことだ。
まず、ことばが正しく使われているかを気にしなくてはならないだろう。正しく使われていないと思ったら、それが単なる無知によるものか、隠されたいとがあるかを追及しなくてはならない。全く厄介な世の中だが、世の中とはそうしたものだから、それを楽しまなくては悲しくなってしまうだけだ。
そうなると、心までが曲がってしまいそうだ。どこかでそれを修正すべく生活しなくてはいけないのだろうが、それが今のところ見つからない。それを見つけようとする楽しさだけがあるといえばある。これは救いのひとつだ。救いがひとつでもあれば、無邪気に過ごせてしまう。それはそれで恐ろしいことだ。
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