居場所は必要なのか?居場所にこだわることで不幸を感じたり、そのために不幸を招いたりするのなら、居場所など無くてもよいということにしてあげたらいいじゃないか。そもそもここがあなたの居場所ですよなんて、いったいどんな顔をして言えばよいものやら、全く見当もつかない。
居場所なんて無くても最初から大丈夫だとみんなが思えばよい。そして、居場所、居場所っていっても、それはたぶん本当は居場所なんかじゃないということにしよう。実際、偽物の居場所なんかいらないというのだ。まあ、偽物でもないよりましか。
本当の居場所は、その人がいるところに自然に発生する淡く流動的なものだろう。それはある種の仮想世界といってもよいかもしれない。だから、元々頼りないものだ。にもかかわらず、わらをもつかむ思いで、一生懸命消えないように支え合っている。だから、たとえわらでも大事なものだ。
そうした思いの中で不動のものであってほしいという強い願望から、いつしか「身を委ねて安心できるところ」「あわよくば、なすべき事をなさずともうまく生きていけるところ」「なすべきことさえ頑張っていれば存在を認めてくれるというところ」「無条件に自分のことを理解してくれるところ」等々、何とも都合のよいものになっていったのではないか。もちろんこの「ところ」という部分を「人々」としてもよい。
この居心地のよい、そうした誰かたちが築き上げてきた、そして何とか支え合っている仮想世界に入り込もうとすれば、そりゃ何か特別の理由がない限り拒まれるだろう。何とも虫がいいじゃないかというわけだ。それが人情というもので、意識するしないにかかわらず、そうしたものが心のどこかに転がっているのが正常な心のあり方だ。転がっているだけだから問題ない。もちろん心全体が育っていないと、それが行動や表情に出てしまうことがある。
では、自分が「居場所がない!」と感じ始めたらどうしたらよいのだろう。それはただ自分が話題の中心になっていないことへの不満の裏返しではなかろうか。そう自戒すればよい。そして、自分は自分の風を吹かしているしかない。それでよいと思う。そのうちに、そうした者同士の風が寄り集まって「居場所」になるだけだ。
このように、そうした者たちや、そうした者たちが作っている雰囲気のまとまり、そうした者たちが集まっている場所、それらを居場所と表現したいのならば、それでもよい。だが、それは風だから、いつとはなしに向きが変わったり、渦巻いたり、吹き止んだりする。
そうした事態に直面したとき、最初からありもしない仮想世界なのに、絶対的なものがまるで永遠に失われたり、奪われたりしたように感じられてしまうというのならば、それは不幸なことだ。必要なのは、これまで自分がどんな風を吹かせてきたかという実績だ。そして、これから実現すべき、いくつものプランを持つことだ。
いくつもののプランを実行する経済力を持つべく努力を重ねたり、我慢したり、苦杯をなめたり、不眠不休で人脈をつなごうとしたりしているうちに生み出されるもの。そうした地を這いずり回るような生きざま。それこそが胸を張って、小さいながらも自分の居場所だと言えるものではないだろうか。
それは命を奪われない限り失われない。命が失われても、その遺志がなお誰かの居場所たり得るような、そうした力の入れ方、生き方をすればよい。それは決して難しいことではない。悪友をそれとなく遠ざけ、ほどよい禁欲生活をすればよいことだ。仮に高い志ではなかったとしても、地道にひたすら打ち込むだけでよいと思う。
居場所は探すものでもなければ、ましてや与えられるものでもない。どのみち自分のいるところが自分の居場所になっていくようでなくてはならない。だから、まあ、どちらかと言えば、無ければ無くてもよいものだ。自分でこれから新たな居場所を築き上げることができるという、夢多き状況だからだ。
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