幻想17「妖怪ども人間ども」

 人間という名の妖怪が、この世を覆いつくしている。
 奴らが妖怪と呼ぶものは、この世にはなく、ただの妄想にすぎない。それはそうだろう。何を隠そう、やつら人間自身が妖怪なのだから、他に妖怪を求めたところで、見つかるはずもない。いるかいないか、ああだこうだと論議はするものの、結局は人間の貧しい妄想の産物としてしか描かれることがないのだ。だから、いきおいこの世に妖怪などいるわけはないという話になる。冗談じゃない。
 人間以外に妖怪などいるわけもないので、どだい無理なことをするはめになる。およそ人間どもが妖怪だと名付け、これを面白がっているものは、物や自然現象を生き物化させた存在、生き物を物化させた存在、生き物の一部を独立化させた存在、生き物の一部をあわせた存在等々だ。こんな不自然な無理をしてまで、人間は妖怪を生み出そうとしている。そんな子供じみた目くらましは、もうたくさんだ。
 何をするかわからない存在、どこまでも残忍になれる存在。悪魔よりも悪魔的に、地獄よりも地獄的な世界を、涼しい顔をして作り出す。この人間というシステムの妖怪を、この奇妙奇天烈な肉体の妖怪を、摩訶不思議な性情、入り組んでねじ曲がった精神構造の妖怪を、あまりにも数が増えすぎたために見失ってしまったか、人間よ。ゆえに愛すべき人間よ。互いに互いの妖怪傾向や妖怪度を、探り探り一歩ずつ歩んでいくのがよいだろう。

 

どこにいるの? について

「がんばったら疲れる。疲れたら休む。休んだらがんばる。」ということにしておこう。
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