幻想18「戦後生まれの戦争風景」

 松本零士の「ザ・コックピット」のシリーズが古い書棚から出てきた。戦場漫画の名作だと言われている。読み返してみると、このシリーズは途中から趣が変化していく。
 発表当時、シリーズの人気が出て、どこまで続けるかという予定が変更されて、延長されたためなのかもしれないが、名作だなと思うエピソードが多かったのが、次第にそうではないエピソードも出てくるようになる。それでも、僕は読みたくなってしまうのだ。
 そのような違いを感じるようになったのは、自分が年を取ってしまったからかもしれない。登場するものの一つ一つの裏にある、背景のようなもの、歴史といっては大袈裟だが、断片的知識であっても、それを持っているかいないかという違いも大きいかもしれない。
 空の戦士、陸の戦士、海の戦士。特に空の戦士の物語を中心としたものが、このシリーズだ。どちらにしても死の物語だ。そして、確かに言えることは、戦って死んでいった者たち、戦わずして死んでいった者たち、その屍の上に僕たちが生きていることだ。彼らの生き様の一つ一つを了解していなくてはならないと思う。
 戦場にかり出された、彼らのこの生き様を少しでも想像させてくれる資料の一つとなる。直接に祖父母たちや父母から嫌というほど聞いた、戦中、戦後の話は生々しく頭に残っているが、敵兵とどのように戦ったのかは、伝えたくもなかったに違いない。そのあたりのイメージは曖昧だ。
 その曖昧なイメージは、僕から切り離されて、幻想のように一人歩きをする。戦争漫画や映画の続きとなり、夢の中で重なり合う。そうして立体化し、色づけられた、偽物の戦争風景。偽物だけど、僕もそうした風景を背景にして、何か物語るようになるのだろうか。

どこにいるの? について

「がんばったら疲れる。疲れたら休む。休んだらがんばる。」ということにしておこう。
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