突然思い出したこと176「ウォークマンの功罪」

  ウォークマンなるものが流行り始めたのは、1980年代辺りからか。かれこれ40年になるだろう。最初に手に入れた人が15歳だったとして、55歳。もう子育ても終わり、親の介護をする年齢だ。その親たちの後を受けて、今の若者は、類似機能を持つ、相当進化した音楽機器を手にすることができるはずだ。ただ、残念ながら、どれだけ機器が進化しても、ウォークマンという商品のコンセプトは変わっていないように思う。したがって、長年にわたるウォークマンや同等商品等による、人間への影響は決して小さくはないはずだ。
 商品価値とは別に、対人的価値に目を背けることなく、立体的に見つめるようにしなくては、自分やその周囲を正しく見つめることにはならない。そこで、取り敢えずは思いつくままに、対人価値にかかわるであろうウォークマンの功罪ともいうべきものを、以下に列挙してみた。都合により、単なる項目だけだが、これらにかかわって、実際に何が、どのように変化し、人の何がどのように変化してきたのかは、調べるよしもない。だが、商品化されて流行する前と後とでは、確実に大きな変化、それは文化的変化とも言うべきものがあったように感じる。
 そうした変化も、ある年齢以上の人には感じることができない。だが、木の年輪が、一番外側だけでは全く機能しないように、これまでの蓄積である一つ一つの年輪が年輪としての意味があり、木にとってそれらが全て必要であったように、これまでの生まれては消えていった、さまざまな商品が、年輪のように人々の感覚から思考までに刻んできたものを、本来なら一つ一つ確認する作業が必要だ。
 自然と木の内側は朽ちてなくなっていくが、それには相当長い年月がかかる。ウォークマンが出現してからの歴史はまだまだ浅い。3世代分ほどの年月が流れたら、形ある変化として、また内容ある変化として、意識されてくるのだろう。もっとも、そこまでウォークマンの類の使用が継続していなければ、そのような比較の動機も生まれにくいだろうけれど。

①音が流れるので、ボリューム調整で単なる耳栓以上の効果が期待できる。
②新しい人間関係が作られにくいので、交際費が抑えられる。
③刺激のないつまらない生活を、即時的に疑似救済できる。
④同一グループ内で別々の曲を同時に聴けるので、群集心理による暴走を抑えられる。
⑤互いに聴きたいものだけを同時に聞けるので、乏しい話術でも衝突することなく、生活できる。
⑥他人の趣味と自分の趣味とを比較して、熱く語り合うというような面倒な避けることができる。
⑦他人に迷惑かけず、互いの趣味を尊重し合うスタイルだと悦に入ることができる。
⑧聞きたくないものは、聞こえていないふりをし、面倒なことに関わりを持たないようにして自分を守ることができる
⑨何かをしながら音楽が聞けるため、その歌詞の理解が浅くなり、余計な観念にとらわれないで暮らせる。
⑩聞きたいものだけを聞くことで、趣味が固定化し、散財を防げる。
⑪消極的だが、他人とのおン学趣味の差別化を主張することができる。
⑫同じものを同時に聞いて楽しむという生活習慣がなくなるので、感動を共有化しなくてすむ。
⑬必要に応じてタイミングよく聴くことができるので、高い音薬効果が期待できる。
⑭音楽を身近なものにして、自分だけの世界に入り込める。
⑮好みの音楽だけを聴けるので、深くはまることができる。
⑯音楽を距離感をもって鑑賞するのではなく、音楽が頭の中で聞こえることにより、自分が演奏したり歌ったりしているという感覚に浸ることができる。

 部分的に重複した内容やら、因果関係にありそうな内容やら、いろいろたくさん出てきそうだ。脳トレとしては、20項目は挙げてみたかったが、努力不足で、16項目だ。
 だが、17項目目になって初めて出てきたマイナス面はこうだ。
 それは、最も危険な香りがするマイナス面は、外からの音を遮断するだけでなく、主に以下の三つのものを遮断する作用があることだ。
①不定期に浮かび上がってくる過去の記憶を遮断する。
②瞬間的に次々と湧き出るアイデアを遮断する。
③自分の内部から発掘されてくる反省材料を遮断する。
 これらは一言でいうと、自分のためになる内部からの情報をも遮断してしまうということだ。こうした効果が日常的にあるとすれば、それは恐ろしいことだ。実に先の16項目にわたるプラス面を一気に蹴飛ばしてしまいそうな威力があるマイナス面ではないか。これは、単なる項目の数だけの多数決では判断できない問題の好例となろうか。
 もっとも、先の16項目も、裏を返せばマイナス面ともなり得るものが多い。これは十分に分析し、洒落で商品カタログに記載すると面白いかもしれない。詰まるところ、商品価値が非常に高い分だけのマイナス面というものがやはりあって、それはウォークマンも例外ではなかったということだろうか。
 さて、これらをまとめて一項目とせず、三項目とカウントしても、全部で19項目に過ぎない。後一項目が直ぐに思い浮かばないということは、それだけ脳トレが足りないということだろう。無理やり二十項目にできないとは何とも悲しい。
 あ、一つある。ネーミングだ。
 ⑳歩きながらでも音楽が聴けるウォークマンを座って聴くときに、罪悪感や違和感が生まれる。

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どこにいるの? について

「がんばったら疲れる。疲れたら休む。休んだらがんばる。」ということにしておこう。
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