このような歪んだ思いを抱きながら、歪んだ生活を送らねばならぬような、「いじめ」の被害者には誰もがなりたくない。それを最も恐れているのは、「いじめ」の加害者だろう。もしかすると、無闇にいじめ続けるのは、自分自身がいじめられないためである可能性も十分にある。「攻撃は最大の防御」ということなのだろうか。確かに、臆病者ほど強がったり、臆病者ほど自分より弱い立場にある者を探すのは大の得意だ。
自分がそうした大変な立場に立たされないようにするにはどうしたらよいだろう。まずは、「いじめ」に対する正論や理想論によって事を長期化させ、無数の被害者を生み出していることに気づかないふりをしている偽善者たちを、これ以上増やさないことであろう。そのための何らかの事を起こさねば、本当の正義がねじ曲げられ、見かけは整っているくせに、実際にはますます窮屈な世界に陥っていくように感じられるのは僕だけであろうか。
恐らく、「いじめ」の行為を牽制するような、先述のような思い切った内容の事前警告は、別の問題を引き起こすだろう。日常生活の何でもないことが、実は「いじめ」の加害者として陥れるための罠かもしれないという疑心暗鬼に苛まれるという事態をひきおこす可能性もある。また、事前警告された人に対する偏見と排除という、新種の「いじめ」が始まる可能性もある。それが「いじめ」「いじめられ」の立場逆転になるチャンスとなって敵が討てたとなると、これはこれで厄介なことになる。いじめられていた者やその家族が、そう簡単に許すはずもなく、延々と手を下すという、悲惨な状況を生みかねないからだ。
だが、「そうしたおそれが十分にある」という感覚が広がれば、やはり抑止力となろう。したがって、事前警告を受けないための事前指導を学校や会社で、定期的に再教育していく必要がある。こうした面倒なことをこまめにしていかないと、「いじめ」のような厄介な問題を軽減させることはできないだろう。ましてや、「いじめ」を根絶することなど絶対にできないのではないかと思うのだ。
対策としては道徳的ではなく、お粗末さを感じる対策であることは確かなのだが、何か代案はないものだろうか。被害者が引っ込んで、時が経ち、関係性が薄れ、それで終わっても、それで「いじめ」の問題や「いじめ」の被害が解決したとは言えないはずだ。「いじめ」の問題が、「いじめ」以外の問題に移行しただけだ。
そうした個々のケースが「いじめ」の様相を示さなくなったことをもって、「いじめ」の解決とするのは、あまりにも被害者の心を無視した、あまりにも安直なものの見方だろう。新たに生まれた人が、「いじめ」に手を染め、「いじめ」に苦しむことのないような、解決策を講じることが早急に必要だ。警告と罰の実施を導入するという、単純な抑止力による対症療法的な対策だけでは当然のことながら不可能だからだ。果たして解決策はあるのだろうか。
大会社であれば、配置転換で回避できるレベルの「いじめ」も、小規模の会社や学校、特に学年の学級数が減っている現代の義務教育では「いじめ」の被害者の逃げ場はないのではないか。学級を変えるというような回避手段がとりにくいような、少ない学級数のはずなのだ。転校という奥の手も、転校生への「いじめ」というリスクを乗り越えなくてはならないはずだ。残念ながら、今はSNSが発達し、どこに転校しても「いじめ」が継続したり、「いじめ」が引き継がれたりする可能性が高いと思われる。
そうした問題、そうした危機の管理と、個々の子供への指導をする教職員には大変高度な指導技量が求められるだろう。だが、残念なことに全員が同一レベルの力量ではあり得ないはずだ。当然、その手からの漏れが生じてくる。少子化が進めば進むほど、SNSを利用する人が増えれば増えるほど、一校あたりの教職員の数が減少すればするほど、いじめの遣り口が報道されて模倣される可能性が高まれば高まるほど、その傾向は甚だしくなるだろう。事は深刻だ。
実は、そんな世の中にわが子を産み落としたくないと考えている夫婦は、口には出さないが、意外とたくさんいるように思う。こうした意識によっても、ますます少子化は進む方向に向かうだろう。どうか、「わが子にはそんな世の中を正常化していくような苦労をしてほしい」とか、「わが子が生きていきやすい世の中になるように、今から俺たちが正常化させていこう」と考えてほしいものだ。特に若者は。若者のエネルギーというものは、本来そうしたことに使われるもので、単に自ら爆発しているだけであれば、人生の身も蓋もなかろう。
いじめた奴の部屋で自殺しないのは、もしかすると配置転換や転校など、かつてよりも周囲の配慮が行き届くようになってきたからではないだろうか。新たな加害者に「いじめ」の被害を加えられるようになったとしても、エスカレートするまでにはある程度の期間がかかる。その間に、被害者が加害者に回るという、苦肉の策に走ったり、過去の「いじめ」から得た教訓を生かして、「いじめ」をかろうじて回避するという知恵をはたらかせたりする可能性があるのだ。個人としてはある程度救われていても、「いじめ」の問題がどうにかされるわけでも何でもない。そうした悲しさが「いじめ」の問題にはついて回るのではないかと心を痛める。
しかし、いじめによる自殺がなくなったわけではない。自殺希望者は統計にないだろうから、実は希望者は増えているのかもしれない。一度集まるとよいかもしれない。実際には集まれないが、SNSでつながることはできるだろう。そして、一緒に死のうという方向に向かわない約束で話し合ってはどうか。
当然、加害者を皆で闇討ちにしようとかいう話に向かうのも反則だ。節度をもって、どうしたらよいかを被害者同士で話し合う必要はあると思うのだ。いじめられている人の気持ちは、いじめられていない人には理解できないはずだからだ。一人で死んでしまったり、一緒に死んでしまわないように、何が何でも周囲のよりよいはたらきかけを期待したい。そうすれば、いじめた奴の部屋で自殺するというような、やけっぱちの悲しい事件も発生しないはずだ。
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